「場所」とは、ある一つの約束事の体系(コード)が支配する領域を指す。そしてその約東事とは、一つの記号が何を示し、何を象徴するかを指示する役割をはたす約東事のことである。「回目」なら「回目」という記号が何を示すかという約束事が、そこに存在する時、そこには「場所」があるということになる。「場所」がはっきりしないところに、何かの記号を投げ込むことを、普通われわれは躊躇する。どう受けとられるか、何ととられるか見当もつかないからである。
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それが恥ずかしいという感情の正体である。住宅を建てる場合にもこの原則はあてはまる。住宅は様々な記号から成っている。モノや空間といった記号である。記号があるということは、その記号が何を示し、何を象徴するかを決定する約束事(コード)が存在するということである。例えば床の間が何を示し、うすべりを敷いた床の間が何を象徴するかという約束事である。すべての人に通用する約束事というのは基本的に存在しない。どんな約束事もそれが通用する、ある領域を持っている。これを「場所」という。ある「場所」では床の間が何を示すかが人々に伝わり、ある「場所」ではまったく伝わらない。住宅を建てる時には、まずそれがどの「場所」に建つかを見きわめなくてはいけない。地理的な「場所」なら一目瞭然だが、この「場所」はそう簡単には見えないかもしれない。この「場所」が見きわめられない場合、新しく住宅を建てるというのは恥ずかしい行為となる。