旧住宅公庫は、戦後の住宅不足の解消を目指し、国民の住宅取得ニーズに応えてきましたが、高度経済成長期以降になると、3大都市圏への人口集中の影響も加わり、住宅に対する需要はさらに増大していきます。住宅難の解消や人口の都市集中、世帯の細分化に対応して、政府は、すべての世帯が安定した基盤の上に生活を営むことができるよう「1世帯1住宅」の実現を目指しました。その結果、このころになって、住宅総数が世帯総数を上回るという住宅の大量供給の時代に突入しました。当時の住宅政策は、1970年度までに「1世帯1住宅」の実現を図り、さらにおおよそ20年後には居住水準を「1人1居住室・1世帯1共同室」に引き上げるというものでした。これに合わせるように、旧住宅公庫についても、毎年のように融資戸数の拡大が行われました。ところが、それを上回る資金需要に追いつかず、引き続き抽選制を継続し、受付順位制などの導入が必要となりました。住宅需要の増大は、旧住宅公庫への申し込みの全国的な増加にも表れました。東京や大阪といった大都市では、地価の高騰等の影響もあって、個人住宅の融資申し込みは段々と減っていく傾向にありました。一方、大都市地域において良好な居住環境を確保しながら、その地域における持ち家を供給するには、地方住宅供給公社による中堅所得階層向けの分譲住宅が望ましいとされ、1966年度から分譲住宅への資金供給を強化していきました。
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