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在来工法の住宅の質の低下を招いている

2011.09.30

都市問題や公害が高度成長の負の部分として現れてきたのは、高度経済成長期が過ぎて、成熟社会に移行しはじめた頃でしたが、新建材が原因と思われる疾患や、カビ、ダニ、花粉などのハウスダストが引き起こすアレルギー症状が現れてきたのも、ちょうどその頃からでした。建材は食品や薬品と違って、問題があるものでも影響が出てくるまでに、かなりの時間を要したからです。新建材の多用は、木造住宅の工期短縮や、日本中どこでも安価で均質な材料を提供できるという効率性をもたらしましたが、その代償はあまりに大きかったと言わざるを得ません。いまでは、「新築病」「シックハウス症候群」などの言葉がよく知られるところとなりましたし、また安全であるべき学校でも、新建材が原因で体に変調をきたす子どもも多いと言われています。住まいが有害化学物質で汚染され、その影響を最も受けやすいのが、1日のうち大半の時間をそこで過ごす子どもや高齢者であることを考えると、極めて深刻な事態であることが分かります。品質が良くて安いものが勝者になるのは市場の原理ですが、日常の消耗品と住まいを一緒にしたくないものです。また、環境問題とは別に、新建材の多用は、高度な技術を持った職人や技術者集団から職を奪い、ひいては在来工法の住宅の質の低下を招いていると言わざるを得ません。

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